何はなくともマイアシックス

私の練習方法はマイアシックスです。
決してアシックスの回し者ではありませんが、4年間やってみて実にいいプログラムだと感じています。
マイアシックスは、目指すレースの日付と目標タイム、年齢などを入力すると自動的にトレーニングプランを組んでくれるサービス。私はこれ一本で走力を上げ、目標達成しました。

マイアシックス


私なりに感じたマイアシックスの利点・短所は以下の通りです。

【利点】
  1. ダニエルズ理論に基づく効率的なメニュー
  2. 練習の負荷が強すぎない(無理なスピード練習がない)
  3. ロングジョグがない(時間のムダがない)
  4. 年齢と自己ベストから無理なく目標ペースを算定
  5. 6つの期分け(実質5つ)でスピードとスタミナを効率良く養成
  6. アラート機能でトレーニングを忘れない
一方で短所もあります。

【短所】
  1. アプリの出来の悪さ
  2. 気温・気候によるペース調節機能がない

サブ3.5をねらっている頃に、アシックスの銀座店で実施している「ランニング能力測定」を受けたことがあります。その際にマイアシックスの考え方について聞いてみました。
マイアシックスのベースは名著「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」を記した世界的コーチのジャック・ダニエルズ氏の考え方だそうです。
ダニエルズ氏は、その人の過去のベストタイムから推定されたVDOT(最大酸素摂取量=VO2maxに近い概念)という指標をもとに、走力向上のためのもっとも効果的な距離とペースを一覧化した業績で知られています。

 

「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」についてはおいおい紹介していこうと思いますが、この本はランニングのトレーニングについてかなり総合的に網羅しており、自分の今の目標に応じてどのようなトレーニングをどのような塩梅でプログラムしていくか、という自分流プランをつくるには少し専門的すぎます。

マイアシックスは、ダニエルズ理論をもとにして、市民ランナーにはそれほど必要性がないと思われるインターバルやレペティションなどのスピードトレーニングを削っています。さらに、ジョグは5km程度。ロング走はあくまでレースペース走として支持され、だらだらとしたLSDやロングジョグはありません。

マイアシックスの利点について

フルマラソンの実践的能力とは、スピード維持能力です。すなわち、一定のスピードを出せるフォームと心肺、そのスピードで走りきる筋持久力の養成がトレーニングの主眼となります。

マイアシックスの練習メニューは以下の6区分です。

  1. ジョグ:いわゆる疲労抜き、足づくりなどのジョグ。最長5kmほどしかない。一応設定ペースはあるものの、あまり気にしなくていい
  2. 快適ペース:レースペースよりもやや遅く、無理なく走り続けられるペース。ダニエルズ理論ではEペース走にあたり、走行距離のほとんどをこのペースで占める。効果は心肺と血管の発達、足づくりなど。すべての基本です。
  3. レースペース:いわゆるレースペース走。ダニエルズのMペース、またはATペースに該当。効果はEペースと同じだが、達成感はこちらが上。
  4. 速めのペース:レースペースよりも10~15秒/kmくらい速い。Tペース、LTペースなどと呼ばれるものにあたる。効果はVO2maxの向上。心肺を鍛えるには、レースペースよりも少し速い、少しキツイこの練習を続けることが重要です。
  5. ビルドアップ:9kmが多いです。「レースペース」からはじまって「速めのペース」まで上げていく設定でそれほど無理なく達成できます。3kmずつ上げて行ければベストです。
  6. その他:レース直前にはレースペースでの30km走が入ります。また、走り込み期には「速めのペース9km+快適ペース18km」などという組み合わせ練習がセットされることがあります。
マイアシックスの練習はレースペース(RP)±20秒くらいの練習が多いのが特徴だと思います。インターバルやレペティションといったツライスピード練習はありません。また、LSDのようにダラダラ走らされたりすることもありません。
全体的に、レースの本番ペースが自然に身につきやすいと言えます。負荷の高いスピード練習がないということはケガをしにくく、遅いロング走もないので効率的です。

ただし、サブスリーを意識するようになるとスピード練習が若干物足りなくなるのも事実。私はダニエルズ氏のインターバルペースをもとにして、ジョグのラスト1kmを全力(4分~3分40秒)くらいで走ることでスピード練習を補いました。また、流しも積極的に取り入れ、大きなフォームづくりは意識しました。

期分けの概念もわかりやすく、1.プレ期→2.スピード養成→3.スピード維持のためのスタミナ養成→4.本番意識のレースシミュレーション→5.負荷を減らすテーパリング&レース→6.回復期となっています。

一番ツライのはステージ3でしょうか。特に、前述の「速めのペース9km+快適ペース18km」という計27km走がもっともツラく、前々日くらいから憂鬱になります。この時期は走行距離も伸びますが、それでも月間200kmギリギリだと思います。
次にツライのはステージ4。こちらは30km走などが入ってきます。1人でこなすのが難しい場合にはオープン参加の練習会などを利用するのもいいと思います。

とにかく、ダラダラジョグはあまりないので、走行距離は伸びないものの決して楽なメニューではありません。その分効果は高く、アシックスのノウハウが凝縮された非常に効果的なメニューであると思います。

マイアシックスの短所について

短所としては、上に上げたとおりアプリがプアすぎてほぼ使えないということがあります。GPSがプアで、スピード走→ロング走といった練習を一日に2度行った場合でも1回分しか記録できないのでペース計算がわからなくなります。
また、秋のレースの場合負荷がかかるのは夏ですが、この熱い時期にマイアシックスが支持した通りの練習はほとんどこなせないと言っていいでしょう。その辺の融通も効きません。

アプリについては、タイムの記録などはふだん使っているランニングアプリやGPSウォッチのアプリにまかせた方がいいと思います。私はWEB版でその日の距離とタイムだけ記録しています。
気温についても同様で、練習する季節や日のコンディションで自分なりに調整するといいでしょう。主観的なきつさや心拍数などを基準にして、きちんと負荷のかかる練習ができればいいと思います。

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